一人親方労災保険の「労災センター通信」

一人親方のメリット・デメリットを解説|安定した収入を得るには

 「一人親方として独立したら、メリットはあるの?」

 収入のアップや生活スタイルの変化などを求めて、一人親方としての独立を検討されている方は少なくないでしょう。

 特に建設業界では、一人親方として独立される方が増えています。確かに、一人親方には多くのメリットがあります。メリットをうまく活かせば、一人親方ならではの働き方も可能です。その一方で、デメリットやリスクについても、きちんと押さえておかなくてはなりません。

 一人親方労災保険の特別加入団体として、一人親方の安全をサポートしている「一人親方団体労災センター」が、一人親方として働くことのメリット・デメリットを解説します。
一人親方

一人親方のメリット

 まずは、一人親方として働くメリットを考えてみましょう。ここでご紹介したいメリットは、主に4点あります。

収入が増える可能性がある

 最初のメリットは、収入面です。一人親方の場合、請負元から受注した案件の単価はすべてご自身に入るため、一般的な傾向としては、会社員として働くよりも高単価で仕事ができます。一人親方として独立をお考えの方の多くは、やはり収入面に関してのメリットに、魅力を感じていらっしゃるのではないでしょうか。

 「もし収入が増えても、建材や備品などの仕入れ値を自己負担したら、プラス・マイナス0なのでは?」

 とお考えの方もいらっしゃると思います。確かに、一人親方は基本的に、経費を自己負担しなくてはなりません。ただし、経費で使用した金額は確定申告時に処理し、課税対象額と相殺できます。もちろん、一人親方の場合は仕事を受注しなければ収入が得られないため、100%増えるとはいえませんが、相場として会社員よりも高収入であるのは事実です。

取引先や案件を選べる

 一人親方は、どうしても一緒に仕事をしたくない取引先や、顧客の仕事を断ることも可能です。会社員の場合、少なくとも決裁権をもてなければ、取引先を選べません。また、例え決裁権があったとしても、企業は対外的な評判もあるため、明確な理由なく顧客からの要望や注文を断るのは困難です。個人で仕事をする一人親方の場合は、ご自身が決裁権者なので、仕事に関する事項はすべてご自身で選択できます。また、一人親方は評判を気にして、仕事が断れない状況を心配する必要はありません。
 仕事が断りにくい状況としては、将来的にも長く付き合っていきたい請負元から受注が入ったケースや、必要な収入を得るためにどうしてもその仕事が外せないケース程度です。

上司や同僚との人間関係に悩まされない

 一人親方は、会社員のように上司や同僚から指示を受けたり、関係性に配慮したりする必要はありません。また、会社員の場合、時には部下に対する教育や指導を担当することもありますが、一人親方はその必要もありません。従って、一人親方として仕事を受注した際には、社内の人間関係について悩むことなく、いかに案件に対処するかのみに意識を集中させられます。
 仕事内容にもよりますが、仕事場で完全に一人でなく、他の大工さんや請負元と一緒に仕事をすることも多いため、適度な距離を保ちながら仕事を進められます。

自由な働き方ができる

 一人親方の自由な働き方を、メリットに感じられる方も少なくありません。例えば、ご自身の用事のために休日を設定したり、仕事の合間に日常の買い物をしたりするなどは、会社員と比べてやりやすくなります。会社員に起こりがちな、上司の指示による予定外の不本意な残業に関しても、一人親方の場合は心配無用です。

一人親方のデメリット

メリット、デメリット
 一人親方として働く際には、デメリットとなりうる点もあります。どのような点がデメリットになりうるのか、3つのポイントを解説します。

収入が不安定になる可能性がある

 一人親方だけでなく、個人事業主全般にいえることですが、固定給が保証されている会社員と比べると、収入は不安定になります。仕事を請け負った分がそのまま収入になる反面、仕事の依頼が入らなければ収入は0になってしまうためです。収入を安定させるために一人親方ができることは、仕事の受注数を増やすことと、仕事の単価を高めることです。

確定申告が必要

 一人親方は、1年に1度(2月~3月)確定申告をして、納税額を確定させなくてはなりません。会社員の場合は大半の作業を会社で手続きしてくれますが、一人親方が確定申告しなかった場合には、税金の申告漏れや脱税として重いペナルティが発生します。確定申告の手続きは、慣れない方にとってかなり大変な作業です。申告方法などが分からずに、戸惑うこともあるでしょう。
 しかしながら、確定申告の手続きによって節税対策もできます。仕入れや交通費・保険料などの控除を受けることで、手元に残る金額を増やすことも可能なので、確定申告を正しく理解して有効活用しましょう。

 確定申告のやり方を詳しく知りたい方には、以下の記事がオススメです。
一人親方の確定申告とは|労災保険は経費で計上できるのか

保険などに自分で加入しなくてはならない

 会社員の大きなメリットは、福利厚生が整っている点です。具体例をご紹介すると、以下のとおりです。

  • 社会保険・厚生年金・労災保険など、基本的保険・年金制度
  • 医療保険や積立金など、企業が独自におこなっている福利厚生制度(実施状況・内容は勤務先の企業によります)
  • 退職金や失業手当
  • ケガや病気で入院して仕事ができないときにも、給料が支払われる仕組み

 一人親方は、基本的に上記のメリットがありません。国民の義務として、国民年金と国民健康保険には加入することになっていますが、その他に必要な保険に関しては、各自で加入する必要があります。特に、ケガや病気をした際には収入が途絶えてしまうことと、治療費がかかることのダブルのダメージがあるため、対策が必須です。

一人親方のメリットを活かせるタイプの人

 メリット・デメリットを両方みてきましたが、デメリットは一人親方の働き方次第でカバーが可能です。また、メリットをどれだけ大きくできるのかは、働き方や考え方によって左右されます。

 この章では、メリットを活かせる一人親方の特徴を、5点解説します。

腕前に自信がある

 一人親方の収入面の不安定さをカバーするのは、まず技術力です。技術力の高い一人親方は、請負元やクライアントからの信頼を得られるため、仕事を継続的に受けられたり、高単価の依頼が入ったりするなどのメリットがあります。また、一人親方の技術については、仕事の幅を広げることも重要です。
 例えば、一人親方で大工を営まれている方は、配管工事や電気工事の技術を身につければ、できることの幅が広がります。仕事を請け負うために資格を取得すると、対外的な信用も高まります。

人脈がある/営業力に自信がある

 受注を増やすうえで大切なことは、人脈や営業力を高めることです。なぜなら、技術力が高くても人脈や営業力がなければ、なかなか新規の案件を獲得できないためです。人脈形成には、以下の方法があります。

  • 会社員時代の同僚との関係性を、良好に保つ
  • 一つひとつの仕事をていねいにおこない、仕事を通じて信頼を得る

 営業力の発揮の仕方には、以下の方法があります。

  • パートナー募集をしている請負元にコンタクトを取り、案件を紹介してもらう
  • クライアントとの交渉において不利な条件での契約にならないように、納期や単価などに関して、ご自身の希望に沿った条件を主張する

 技術力・人脈・営業力が兼ね備えられれば、仕事面での不安定さはほとんどカバーできるでしょう。

資格を保有している

 一人親方は資格がなくてもできますが、取得すると仕事の幅が広がります。また、資格の内容によっては、高単価の案件を引き受けられるものもあります。
 例えば、溶接工に必要な「アーク溶接作業者」や、足場工事を組むために必要な「足場の組立て等作業主任者」などは、高単価に直結する資格です。これらの資格は国家資格でもあり、対外的な信用も非常に高いです。

健康である

 一人親方として仕事を続けるためには、健康であることも大切です。一人親方の収入は仕事量と比例するので、健康を維持できないことには収入を得られないためです。常にベストなパフォーマンスを発揮すべく、日ごろからの健康管理にも注意しましょう。

労災保険にきちんと加入している

 どんなに健康に留意していても、ケガや病気のリスクは0にはなりません。いざというときのために、保険に加入しておきましょう。一人親方が絶対に加入しておきたいのは、「一人親方労災保険」です。

 「一人親方労災保険」とは、通勤・業務中のケガ・病気・死亡に対して、厚い補償が受けられる保険制度です。

 具体的に受けられる補償の一部を、ご紹介します。

  • 療養補償・・・通勤・業務中のケガや病気に対する、治療費の自己負担が0になる
  • 休業補償・・・通勤・業務中のケガや病気により、4日以上仕事ができなかった際に、給付を受けられる
  • 遺族補償年金・・・通勤・業務中の事故などが原因で死亡した際に、遺族が年金や一時金を受けられる

 上記のように、通勤・業務中に発生するさまざまなリスクに対して、手厚い補償が受けられます。業務中のケガのリスクが高い一人親方だからこそ、必ず加入しておきたい制度です。

まとめ

 一人親方の働き方は、会社員とは違う面がいくつもあり、メリット・デメリットがそれぞれあります。
メリットとデメリットのどちらが大きく感じられるかは、考え方や働き方にもよるので、一人親方として独立すべきかどうか迷われている方は、この記事をご参考にして判断していただけましたら幸いです。あくまでも一般論ですが、一人親方のデメリットになるポイントは、働き方の工夫やスキルの磨き方・保険の加入などにより、ほとんどカバーできます。特に、安い掛け金で厚い補償が受けられる「一人親方労災保険」に加入するか否かで、一人親方の安心感は大きく変わります。

 ご不明な点がございましたら、全国で一人親方の労災保険へのご加入をサポートしている、当団体「一人親方団体労災センター」にぜひご相談ください。

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