「一人親方って稼げるの?平均年収はどのくらい?」
一人親方として独立を考える際に、希望どおりの収入が得られるか否かは、誰しもがとても気になる部分です。一人親方の場合は特に、十分な収入が得られなければ生活に困ってしまうため、平均年収はどの程度なのか知っておきたい方も多いでしょう。
この記事では、一人親方の平均年収について解説します。
Contents
一人親方の平均年収とは?
早速、一人親方の平均年収について解説します。参考にしていただけるよう、建設業全般の平均年収と比較しながら解説します。
建設業の平均年収
厚生労働省が発表している、「令和元年賃金構造基本統計調査」の概況によると、建設業全般の平均年収は332.8万円です。
また、平均年収は企業規模によって異なります。
- 大規模の企業(415.4万円)
- 中規模の企業(338.2万円)
- 小規模の企業(300.8万円)
上記のように、企業の規模が大きいほど稼げる傾向があります。
参考:令和元年賃金構造基本統計調査
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2019/dl/14.pdf
会社に勤めるよりも給料は上がるの?
一人親方の平均年収に関する、公的な資料・データはありません。しかし、建設会社に勤めるよりも一人親方のほうが、仕事1件あたりの収入は多い傾向があります。なぜなら、一人親方の場合は、報酬が全てそのまま収入になるためです。
一人親方の多くは、500万円~1,000万円程度の収入を得ています。
ただし、「一人親方になれば、収入を得られる」とは限りません。仕事の受注量や契約内容によっては、会社員より収入が下がってしまうこともあります。また、一人親方労災保険など万が一のときに備えた保険に加入していないと、いざというときに働けなくなり、収入が途絶えてしまうこともあります。
平均年収以上の収入を得る一人親方の働き方
一人親方として生活の基盤を安定させるには、平均以上の収入を得ることが重要です。材料費や保険料など、会社員の場合は会社が負担してくれる項目を、ご自身で負担しなくてはならない為です。逆にいえば、一人親方は工夫して仕事をすれば平均年収を増やしやすいので、ぜひこの章の内容をご参考にしてください。
資格取得
資格がなければそもそも担当できない仕事は、少なくありません。そして、資格を必要とする仕事のなかには、高収入を得られる仕事が多いです。
- 電気工事業者
- 作業主任者
- 溶接工
これらの「稼げる」資格保有者のなかには、年収1,000万円以上の一人親方も多いです。
高度な技能の習得
多くの案件を受注したり、単価のアップを目指したりする際には、技術力を磨くことが大切です。資格取得に通じる部分もありますが、難しい仕事を高品質でこなせるようになると必然的に、請負元から継続的な受注が得られるようになります。スキルアップのためには、日ごろから意識を高くもって仕事に臨むことが大切です。
人脈の維持・形成
建設業界で継続的に仕事を受注するには、人脈も重要です。建設業界は慢性的に人手不足でもあるため、請負元と良好な関係を築けていれば、必然的に仕事が回ってきます。資格や特別なスキルを持たなくても、しっかりと人脈を大切にしながら仕事を続けることで、年収700万円以上を維持している一人親方もいます。
一人親方の平均年収を考えるうえでの注意点
一人親方の平均年収に関して、会社員としての年収と、単純に数字だけ比べるのは適切とはいえません。この章では、一人親方の平均年収を考えるうえでの注意点を、2点解説します。
年収は単価と仕事量に比例
一人親方の年収は、基本的に単価と仕事量に比例します。従って、一人親方は単価の高い案件を得られるように、意識する姿勢が必要です。
たくさんの時間を仕事に費やし、収入を増やすことも大切ですが、休養が不足すると体調を崩してしまうリスクが高まります。また、余白なしに仕事を詰め込んでしまうと、工期が遅れてしまった際に取り返しが難しくなってしまうため、リスク管理の面でも収入と仕事量とのバランスはとても重要です。
保険や年金の負担分を考慮
一人親方は保険や年金にご自身で加入し、管理しなくてはなりません。例えば、一人親方が加入すべき代表的な保険の一つが、「一人親方労災保険」です。
一人親方労災保険に加入していると、業務中や通勤中のケガ・病気・死亡に対して、治療費の自己負担0・就業不能時の補償・遺族年金などを受けられます。
一人親方労災保険に加入しているか否かで、安心感は大いに異なります。
まとめ
一人親方の平均年収は非常に幅があるものの、500万円~1,000万円程です。
もちろん、収入が500万円以下や、反対に1,000万円を超える一人親方もいます。同じ仕事をした場合に得られる単価は会社員よりも多いため、重要なことは質の高い仕事をすることと、多くの仕事が得られるように人脈を大切にすることです。
一人親方労災保険や国民健康保険・国民年金保険などの費用を、あらかじめ準備しておくことも大切です。