一人親方が労災保険に加入するためには、自分にとって利用しやすい特別加入団体を選ぶことから始めます。手続きの手順とともに、特別加入した際の補償内容についても確認しておきましょう。
特別加入すれば一般の労働者と同様の補償を受けられるため、安心して仕事ができるようになります。
本記事では、岩手県で加入できる「一人親方労災保険団体5選」もご紹介しています。岩手県で一人親方として活動されている方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
岩手県の建設業の特色
岩手県は、東北地方の中でも広大な地域を有し、自然環境の豊かさと歴史的・文化的な価値が特徴です。以下に、岩手県と岩手県の建設業の特色をいくつかご紹介します。
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自然災害対策と復興
岩手県は、地震や津波、豪雪などの自然災害が発生しやすい地域です。このため、耐震構造や防災設備の導入など、自然災害への対策が重要となっています。また、東日本大震災による被災地の復興にも建設業者が携わり、被災地の再建・再生に貢献しています。 -
観光資源の活用
岩手県には、世界遺産である平泉や、美しい自然景観が広がる八幡平など、数多くの観光資源があります。岩手県の建設業者は、観光施設や宿泊施設の建設や改修を手がけるとともに、地域の風景や文化に配慮した建築物の設計や施工に取り組んでいます。 -
農業・水産業関連施設の充実
岩手県は農業・水産業が盛んな地域であり、農業・水産業関連施設の充実が求められています。例えば、農業施設や水産加工施設、農業体験施設などが建設されています。岩手県の建設業者は、農業・水産業の発展に貢献するため、効率的な施設の提供や新たな技術の導入に取り組んでいます。 -
山岳地域の開発
岩手県は山岳地域が広がっており、登山やトレッキングなどのアウトドア活動が人気です。このため、山岳リゾートや登山施設の整備が行われています。岩手県の建設業者は、山岳地域の開発に携わり、観光客やアウトドア愛好家のための施設を提供しています。
【岩手】一人親方が労災保険に特別加入する方法
労災保険は企業に雇われている労働者を対象としたものであり、一人親方は該当しません。
一人親方が労災保険に加入するためには、特別加入制度を利用する必要があります。加入するまでの手順を、具体的にご紹介します。
特別加入団体を選ぶ
労働者が労災保険に加入するときは会社が手続きを行ってくれますが、一人親方の場合は会社に属していないため、まずは、特別加入団体を選ぶことから始めましょう。
一人親方が労災保険へ特別加入する際には、特別加入団体を経由する必要があります。特別加入団体は全国各地にあり、どの団体を選ぶかは個人の自由です。
団体によって入会費や組合費などの費用が設定されており、申請から加入までのスピードも異なります。そのため、団体ごとの特徴をしっかりと比較したうえで自分に合う団体を選ぶことが大切です。
申し込み手続きを行う
特別加入団体を選んだら、申し込み手続きを開始します。
まずは、保険給付額を算定するもとになる給付基礎日額を決めなければなりません。給付基礎日額は3,500~25,000円まで16段階あり、選択できるようになっている団体がほとんどです。給付基礎日額が高いほど保険料が高額になり、補償内容も手厚くなるため、慎重に検討しましょう。
入会費や組合費など、加入に必要な費用を支払ったら手続きは完了です。
支払方法についてもコンビニ払いやクレジットカード払いなどを選択できる団体もあるため、その点も考慮して団体選びをするとよいでしょう。
会員証を受け取る
手続きと費用の支払いが済むと、会員証と加入証明書を受け取れます。
受け取りまでどのくらいの時間がかかるかは団体によって異なるため、事前に確認しておきましょう。早いと翌日には加入でき、その日のうちに加入証明書をダウンロードできるようになっているところもあります。
急な現場が入ってすぐに労災保険に加入しなければならないときも、労災保険番号がその日のうちにわかれば安心です。
会員証や加入証明書は、労災保険の加入者であることを証明する大切な書類です。なくさないよう大切に保管しておきましょう。
【岩手】一人親方労災保険の補償内容
一人親方労災保険に特別加入するにあたって、具体的にどのような補償を受けられるのか確認しておきましょう。
治療費に関する補償
業務中、もしくは通勤中のケガや病気により治療が必要になった場合は、診察代や処置代・薬代などが給付される療養補償を受けられます。
労災指定の医療機関で労災の手続きをすれば、治療にかかった費用を支払わずに済む「現物給付」となります。労災指定以外の医療機関で治療を受けた場合は、窓口でいったん費用を支払い、後から労働基準監督署にかかった分の費用を請求することになるのです。これを「現金給付」といいます。
療養補償の範囲は広く、自宅での療養上の管理や看護にかかる費用や、自宅から病院へ移送する費用なども支給対象になります。
休業した場合の補償
療養のため働けない期間が4日以上生じた場合は、休業補償が支給されます。
支給される金額は給付基礎日額の6割程度であり、休業特別支給金の2割と合わせると8割の支給を受けることが可能です。
休業補償はケガや病気が治癒したとみなされた段階で打ち切りとなりますが、療養を開始してから1年6カ月以上経過しても治癒せず、障害等級第1級〜第3級に該当する場合は傷病年金に切り替わります。
支給金額は障害等級が第1級の場合は給付基礎日額の313日分、第2級の場合は277日分、第3級の場合は245日分というように障害等級によって変わるため、事前に確認が必要です。
後遺症が残った場合の補償
労災事故により後遺症が残ってしまった場合は、障害補償が支給されます。
ケガや病気が治癒した後で支給されるものであるため、療養補償や休業補償を受けている間は受け取れません。
障害補償には年金と一時金の2タイプがあり、後遺症が障害等級第1級~第7級に該当する場合は年金、第8級~第14級に該当する場合は一時金が支給されます。
年金は障害がある限り継続して支給されますが、一時金は1回限りの支給であるため、第7級と第8級では大きな差があると考えてよいでしょう。
介護が必要になった場合の補償
障害の状態が重度で介護が必要な状態になった場合は、介護補償の対象となります。
支給金額は、常時介護が必要な状態か、随時介護が必要な状態かで変わります。
また、親族または友人・知人による介護を受けたかどうか、受けた日があるかどうかでも支給金額は変わるため、事前に確認しておきましょう。
ただし、身体障害者療護施設・老人保健施設・特別養護老人ホーム・原子爆弾被爆者特別養護ホーム又は特別介護施設に入所している間は十分な介護サービスが提供されるため、介護補償は支給されません。
死亡した場合の補償
労災事故により一人親方が死亡した場合は、遺族に対して遺族補償が支給されます。
遺族補償は年金と一時金の2種類があるため、給付金額や受給資格者などの条件を確認しておきましょう。一時金は、一人親方の死亡当時、遺族年金を受ける遺族がいない場合に支給されるものです。
また、遺族補償とは別に、葬祭に関する費用も支給されます。
葬祭を行うのにふさわしい遺族の方に対して給付基礎日額に応じた金額が支給されるため、給付手続きを行うのを忘れないようにしましょう。
岩手で加入できる一人親方労災保険団体5選
一人親方労災保険団体を選ぶ際は、団体ごとの特徴やメリットをしっかり比較することが大切です。今回は、岩手で加入できる一人親方労災保険団体をご紹介します。
一人親方団体労災センター
一人親方団体労災センターは、東北をはじめ関東・関西・中部・九州・沖縄に支部を持つ団体です。
「安い」「早い」「安心」をモットーとしており、多くの一人親方の方々に選ばれています。
初年度のみ1,000円の入会金がかかりますが、その後は労災保険料と月々500円の組合費のみで済むため、費用を抑えたい方におすすめです。
支払いに関しては分割払いも可能で、コンビニ払いや口座振替にも対応しています。普段忙しくてなかなか銀行に行く時間がとれない方も安心です。
また、1カ月・2カ月の短期加入も可能なため、一時的に労災保険への加入が必要な場合はチェックするとよいでしょう。余分な保険料を支払わずに済み、節約につながります。
一人親方労災保険組合
一人親方労災保険組合は、建設業と運送業に従事する一人親方を対象とした労働局承認団体です。
東北以外にも、北海道や関東・中部・北陸・関西・中国・四国・九州・沖縄に支部があり、全国の一人親方が加入できます。
保険料以外に必要なのは月500円の組合費のみで、そのほか手続きに必要な手数料は一切かかりません。
入金確認後、最短で翌日には加入でき、加入証明書は当日中に発行可能です。そのため、元請会社から急な現場要請が入っても慌てずに対応できます。
また、組合員になると優待サービス「職人クラブオフ」を利用できるようになり、全国20万カ所以上の飲食店やレジャー施設などがお得に使えます。
北日本労災一人親方部会
北日本労災一人親方部会は、北海道・青森県・秋田県・岩手県・福島県・山形県・新潟県・宮城県にお住まいの建設工事に従事する一人親方とその家族従事者を対象とした団体です。
給付基礎日額を3,500円に設定した場合、初回費用は申込み加入時手続料・会費・入会金・分割手数料等をすべて合わせてわずか8,800円で済みます。
毎月払いの場合、その後は月々4,980円の支払いとなり、費用負担が少ないのが特徴です。
夜間の申し込みにも極力、当日対応してもらえるため、日中忙しくて手続きに時間が取れない方も安心です。
一人親方団体労災センター共済会 北日本支部
一人親方団体労災センター共済会 北日本支部は、北海道・青森県・岩手県にお住まいの一人親方の方を対象とした組合です。
加入費用は労災保険料にくわえ、入会金1,000円と月会費450円で済みます。年払いを選択した場合は3,600円と労災保険料の支払いになるため、利用しやすいほうを選ぶとよいでしょう。
申し込みはスマートフォンやパソコンから簡単にでき、最短で翌日には加入可能です。
加入証明書は即日発行できるため、お急ぎの方も心配ありません。
支払いは銀行払いのほか、コンビニ払いとクレジットカード払いにも対応しています。
一人親方労災保険RJC 秋田
一人親方労災保険RJC 秋田は、岩手県・宮城県・秋田県・山形県を対象としています。
クレジットカード払いによる毎月払いなら月々4,980円で済むため、初期費用をなるべく抑えたい方も利用しやすくなっています。
また、「1カ月コース」「2カ月コース」「3カ月コース」から自由に選択できる短期加入プランも用意されており、必要なときに必要な期間だけ労災保険に加入したい方も安心です。
複数の一人親方をまとめて特別加入させることも可能なため、元請会社の担当の方は代理加入についても確認しておくとよいでしょう。
まとめ
一人親方が労災保険に特別加入する際の手順や、一人親方労災保険の補償内容について詳しくご紹介しました。
一人親方として活動するにあたって、労災保険に特別加入しておくと、療養補償や休業補償など、さまざまな補償を受けられて安心です。
本記事では岩手県で加入できる一人親方労災保険団体もご紹介しているため、加入を検討されている方はぜひ参考にしてください。