一人親方が労災保険に未加入の場合、万が一のときに補償を受けられないことはもちろん、現場に入れないこともあります。
一人親方労災保険は実際にさまざまな場面で使える保険であるため、未加入の方は検討しておくことをおすすめします。
しかし、一人親方は一般的な労働者と異なり、特別加入制度を利用しなければ労災保険に加入できません。そのため、加入の手順や経由する団体選びのポイントなどを押さえておくことが大切です。
本記事では、山形県における一人親方の労災事例や、山形県で加入できる団体5選もご紹介しています。労災保険への特別加入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
山形県の建設業の特色
山形県は、日本の東北地方に位置し、県庁所在地は山形市です。面積は約6,364平方キロメートルで、豊かな自然環境や歴史的な観光地があります。米どころとして知られ、美味しい米やフルーツが生産されています。冬季にはスキーや温泉地としても人気があります。
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地域資源の活用
山形県は山々に囲まれ、森林資源が豊富です。建設業では、木材を用いた建築やリゾート地の整備が行われています。木造建築やログハウスの需要が高まっています。 -
自然環境への配慮
山形県は美しい自然環境が広がっており、建設プロジェクトにおいては環境への配慮が求められています。持続可能な建築やエコフレンドリーなプロジェクトが注目されています。 -
観光施設の整備
観光が盛んな地域であり、温泉地や観光施設の整備が進んでいます。これに伴い、建設業者は観光地の開発やリゾート施設の建設に関与しています。 -
農業関連の建設プロジェクト
山形県は農業が盛んであり、農業関連の建設プロジェクトも多く見られます。農業施設や農産物の加工施設などが建設されています。
【山形】一人親方が労災保険に加入する重要性
会社に雇用されている労働者には、労働保険の加入が義務づけられています。そのため、業務中や通勤中に労災事故が発生した場合、療養補償や休業補償など多様な補償を受けることが可能です。
個人で仕事を請け負っている一人親方の場合は、労働者に該当しないため、労災保険に加入できません。
未加入のままだと労災事故発生時に補償を受けられないため、治療費を自己負担しなければならなかったり、仕事を休んでいる間の収入がなくなってしまったりします。
現場で働く一人親方が抱えるリスクは一般的な労働者と同様であり、しっかりと備えておく必要があると考えられています。
また、労災保険に未加入だと現場に入ること自体ができないケースもあるため、早めに加入を検討しておいた方がよいでしょう。
2. 【山形】一人親方が労災保険に特別加入する際の手順
一人親方が労災保険に加入するには、特別加入制度を利用する必要があります。どのような手順を踏んで特別加入すればよいのか、手順をご紹介します。
特別加入団体に所属する
一人親方が労災保険に特別加入する際は、役所などで自分が直接手続きをするのではなく、特別加入団体を経由して行います。そのため、まずは自分の住んでいる地域が対応エリアになっている特別加入団体を探すことが必要です。
団体ごとに費用や特徴などが異なるため、よく比較したうえで自分が利用しやすいところを選ぶことをおすすめします。
特別加入団体選びのポイントについては、後ほど詳しくご紹介します。
給付基礎日額を選ぶ
一般の労働者は給与の金額に応じて自動的に労災保険料が算出されます。
しかし、決まった給与がない一人親方は特別加入団体に所属する際に、最大で16段階ある中から給付基礎日額を自分で選び、保険料が算出される仕組みです。
選択した給付基礎日額が高いほど保険料は高額になり、補償内容も手厚くなります。
保険料が無理なく支払えるか、必要な補償を受けられるかをしっかり見極めたうえで給付基礎日額を選ぶことが大切です。
申し込み手続きをする
申し込み手続きの方法は団体によって異なりますが、郵送やFAX・インターネットで申し込みを受け付けている団体が多くなっています。
インターネットでの申し込みが可能な団体であれば、団体のホームページに申し込みフォームがあり、必要事項を入力すればその場で手続きできるようになっているはずです。
申し込みに必要な書類などを事前にそろえておき、スムーズに手続きが完了できるようにしましょう。
山形県で発生した一人親方労災事例3選
一人親方労災保険への特別加入を検討されるにあたって、実際にどのようなケースで労災保険が使われているのか、事例を確認しておきましょう。
今回は、山形県で発生した一人親方労災事例をご紹介します。
現場に向かう途中で追突事故に遭い負傷
自宅から現場に向かっている途中、高速道路で後ろを走っていた車に追突された事例です。全身を強打して頸椎、左大腿部を負傷し、自賠責保険で治療費・休業補償給付(特別支給金)の請求を行いました。
労災事例:「自宅から現場へ向かう際に、後方の車に追突され負傷したケース」
スライダーのワイヤーで左掌を負傷
新築工事で屋根に太陽光発電設備を設置中、屋根に立て掛けていた全長7メートルのスライダーに上り、地上から部品を受け取ろうとしたときに発生した事故です。ワイヤーとワイヤーの間に左手を挟んだ状態でワイヤーが下に向かって動いたため、左手の人差し指、中指、小指のつけ根がワイヤーでえぐられて負傷しました。
労災事例:「スライダーのワイヤーを掴んだまま地面へ滑り落ちて左掌を負傷したケース」
足場がないことに気づかず転倒して負傷
住宅一戸建ての新築工事で、天井のビス止め作業を行っていたところ、足場がない場所であることに気づかず左足を移動させてしまい、転倒した事例です。転落している最中に、4尺脚立の天板に左肋骨をぶつけて負傷しました。
【山形】一人親方労災保険団体選びのポイント3つ
一人親方労災保険に加入する際に、所属する特別加入団体を選ぶポイントをご紹介します。
費用を確認する
一人親方労災保険は国の制度であるため、どの団体を経由して加入しても、労災保険料は変わりません。しかし、入会費や組合費など、団体によってかかる費用の種類と金額は異なるため、事前に確認が必要です。
なかには入会費が無料の団体もあるため、できるだけ安い費用で加入できる団体を選ぶとよいでしょう。
ただし、入会費や組合費が安くても、加入後に更新手数料や労災事故申請手数料などが発生する団体もあります。金額によっては割高になるケースもあるため、事前に調べておきましょう。
加入までにかかる時間を確認する
一人親方労災保険の申し込みをしてから、実際に加入できるまでの時間も重要なポイントです。
元請会社から依頼された仕事によっては、労災保険に加入していないと現場に入れないというケースも珍しくありません。労災保険に未加入の場合は、仕事のチャンスを失ってしまうことになります。
そこで、加入までにかかる時間が短い団体を選ぶのがおすすめです。
団体によっては申し込みの翌日には労災保険に加入でき、加入証明書は即日発行してもらえるところもあります。
安心して利用できる団体か確認する
安心感で団体を選ぶことも大切です。
まず、労働局の承認を受けた団体であるかを確認し、ホームページに団体の所在地や代表者名・活動年数などが記載されているかチェックしましょう。
団体によっては、特定の宗教団体や政治団体とつながりがあり、加入すると集会への参加や選挙活動の手伝いを求められる場合もあります。
そのような活動に興味がない場合は、独立した団体であるかどうかをしっかり確認しておいた方がよいでしょう。
さらに、社会保険労務士が在籍している団体だとより安心です。
山形県で加入できる一人親方労災保険団体5選
山形県で一人親方として活動されている方が加入できる特別加入団体5選をご紹介します。団体ごとの特徴を比較してみるとよいでしょう。
一人親方団体労災センター
一人親方団体労災センターは加入可能地域が全国規模であるため、多くの一人親方様に選ばれています。
組合費は月々わずか500円で、加入後の追加費用は一切ありません。初年度のみ入会金1,000円がかかりますが、団体割引が適用されるため、チェックしておくとよいでしょう。
費用の振込確認後、最短で翌日には加入でき、その日のうちに加入証明書の発行が可能です。
1ヶ月・2ヶ月の短期加入にも対応しているため「次の現場に入る間だけ労災保険に加入したい」という方にもおすすめです。
一人親方団体労災センター共済会 東北支部
一人親方団体労災センター共済会 東北支部は、山形県・宮城県・秋田県・福島県・新潟県にお住まいの一人親方様を対象とした団体です。
月額わずか450円、年払いなら3,600円で加入できる安さと、最短で翌日に加入可能なスピーディーさが特徴です。
支払い方法は銀行・コンビニ・クレジットカードの3種類から選択でき、ライフスタイルに合わせた利用が可能となっています。
スマートフォンやパソコンから簡単登録できるため、忙しい一人親方様も安心です。
一人親方労災保険組合
一人親方労災保険組合は、北海道から沖縄まで、全国に支部を持つ組合です。
組合費は月々わずか500円で、年度途中での脱退も可能なため、一定期間のみ労災保険に加入したい一人親方様にもおすすめです。
支払いは銀行振込だけでなくコンビニ払いにも対応しており、初期費用の支払い後は分割払いも可能です。
また、組合員になると飲食店やカラオケ・映画館などがお得になる優待サービスも利用できるため、あわせてチェックしておくとよいでしょう。
一人親方労災保険RJC
一人親方労災保険RJCは、全国最大規模の一人親方団体です。
「1ヶ月コース」「2ヶ月コース」「3ヶ月コース」の短期加入も取り扱っているため、現場に入る期間のみ労災保険への加入を希望される一人親方様も安心です。
クレジットカード払いにも対応しており、会員カードの発行が最速でできることや、銀行振込手数料が不要なこと・カード会社のポイントが貯まることなど、メリットがたくさんあります。
スマホから簡単に申し込みが可能なので、忙しい一人親方様におすすめです。
楽々親方
楽々親方は、全国どこからでも申し込みが可能な、ネット型労災保険です。
最短1ヶ月から加入できるため、必要な期間のみ労災保険に加入して保険料を節約したい方にもおすすめです。
組合費は月々わずか450円~、費用の支払いはクレジットカードによる分割も可能となっています。
社労士事務所が運営している団体なため、安心してご利用いただけます。
まとめ
一人親方が労災保険に加入する重要性をはじめ、特別加入の手順や特別加入団体選びのポイントを詳しくご紹介しました。
労働者に該当しない一人親方が労災保険へ加入するには、特別加入団体を経由して手続きを行う必要があります。
まずは団体ごとの特徴を比較しながら、自分に合った団体を探すことから始めましょう。
本記事では、山形県で発生した一人親方労災事例や、山形県で加入できる一人親方労災保険団体もご紹介しているため、ぜひ参考にしてください。