安全ミーティングとは、同じ作業や関連する作業を実施する作業者が集まって行うミーティングのことで、安全に作業するために欠かせません。
他の作業員ともコミュニケーションがとれるため、一人親方も安全ミーティングに参加しましょう。
また、一人親方のみでも安全ミーティングを実施すると、より安全な作業につながります。
本記事では、安全ミーティングに一人親方が参加すべき理由や一人親方が安全ミーティングを実施する方法などを解説します。
現場の安全性を向上させるために、ぜひ参考にしてください。
Contents
安全ミーティングとは?
安全ミーティングとは、同じ作業や関連する作業を実施する者が集まって行うミーティングです。
基本的に、すべての作業員が参加する安全朝礼の後に実施されます。
安全ミーティングが実施される目的は、以下のとおりです。
- 現場での安全な環境づくり
- 災害ゼロ現場の実現
- 現場で起こりうる危険やその対策の共有
現場での作業には、多くの危険が潜んでいます。
自分だけでは気づけない危険も、安全ミーティングによって気づけるかもしれません。
また、自分が気づいた危険やその対策を共有することで、現場全体の安全にもつながります。
事故やケガなどが起こるリスクを減らし、安全な現場を作り上げるために安全ミーティングは重要です。
一人親方が安全ミーティングに参加すべき3つの理由
作業中に災害を起こさないためにも、一人親方も安全ミーティングに必ず参加しましょう。
一人親方が安全ミーティングに参加すべき理由は、3つあります。
- 安全に関する情報が得られるから
- 一人親方は業務災害リスクが高いから
- 現場の作業員とのコミュニケーションが図れるから
ただ参加するのではなく、安全ミーティングの内容をしっかり理解し作業に活かせるようにしましょう。
安全に関する情報が得られるから
安全ミーティングでは現場にある危険や問題点などを話し合います。
そのため、参加すると安全に関する情報が得られます。
一人親方は一人での作業が多いかもしれませんが、安全ミーティングに参加して自分の作業に関わる危険や対策を把握することで、より安全に作業ができるようになるでしょう。
また、他の作業者と作業について話し合うことで、自分の作業への理解が深まります。
危険な箇所に気づきやすくなるのに加えて、作業への集中力も高まるでしょう。
一人親方は業務災害リスクが高いから
厚生労働省によると、一人親方の死亡者数は、労働災害による死亡者数の約3分の1にあたる数になっているようです。
このことから、一人親方は災害が起きるリスクが高いことが分かります。
出典:厚生労働省「建設業の一人親方等のための安全衛生教育テキスト」
加えて、一人親方は災害防止の知識が乏しい状態で働いているケースが少なくありません。
災害防止の知識不足のまま働くと、危険な状態に陥りやすくなるため危険です。
業務災害リスクが高く、知識不足であるケースが多いからこそ、安全ミーティングに参加して安全性と確保することが重要です。
特に、現場の状況が把握しきれていないかつ現場のルールに不慣れとなる現場に入りたての時期は、災害が起きやすい傾向にあります。
安全ミーティングに参加し、自分が関わる作業の危険性や対策を把握してから作業を実施しましょう。
現場の作業員とのコミュニケーションが図れるから
安全ミーティングは同じ作業を実施する作業者が集まるため、他の作業員とのコミュニケーションが可能です。
現場では、複数の事業者が関わって作業が行われているケースが多く、情報共有不足や確認不足が原因で災害が起こることも少なくありません。
情報共有不足や確認不足は、作業員同士のコミュニケーション不足によって起こりうることでもあります。
安全ミーティングを行うことで、コミュニケーション不足による災害が防げるでしょう。
事故のリスクを減らすためにも、安全ミーティングに参加して現場の作業員とのコミュニケーションをとりましょう。
一人親方が安全ミーティングを実施する方法
現場全体で実施される安全ミーティングに参加するのも重要ですが、一人親方のみでも安全ミーティングを行いましょう。
一人親方が安全ミーティングを実施する方法を解説します。
自分の体調を確認する
安全な作業を行うためには、まず自分自身の体調を確認しましょう。
少しの体調不良や睡眠不足でも、集中力の低下や判断ミスにつながり思わぬ事故を起こす可能性があります。
作業前には、頭痛やめまいがないか、身体が重く感じることはないか、しっかりチェックしましょう。
体調に違和感があるときは、無理をせず休息を取ることが大切です。
その日の作業内容を確認する
その日の具体的な作業内容をしっかり確認しましょう。
どのような作業を行うのか、どれくらいの時間がかかるのか、また使用する工具や機械の種類も把握しましょう。
作業内容を明確にしておくことで、必要な安全対策が立てやすくなり、災害が起きるリスクを減らせます。
これにより、作業中の事故やトラブルが起こるリスクを減らせます。
作業内容に潜む危険を確認し、対策を考える
作業内容を確認したら、次に作業中に発生する可能性のある危険を洗い出します。
たとえば、高所での作業であれば転落の危険、電気作業であれば感電の危険などが考えられます。
危険を洗い出したら、それぞれの危険に対して、どのような対策を講じればよいのかを具体的に考えましょう。
リスクを正確に把握し、ヘルメットや安全ベルトなど適切な装備を準備することで、安全性が高まります。
特に、一人親方等の死亡災害は、墜落・転落災害の占める割合が約60%を占めています。
出典:厚生労働省「建設業の一人親方等のための安全衛生教育テキスト」
高所での作業がある場合は、入念に危険予知と対策をしましょう。
作業を開始する前に点検する
作業を開始する前に、必ず使用する工具や機材の点検を実施しましょう。
点検をして異常が見つかった場合は、使用を中止し、修理または交換を行う必要があります。
また、作業場所の周囲も確認し、安全に作業できる環境を整えましょう。
作業前の点検では、以下2つが役立ちます。
● 一人KY
● 指差呼称
一人KY
KY活動(危険予知活動)は、作業で起こりうる危険を予想して、災害防止につなげる活動です。
一人親方の場合は、単独で作業するケースが多いため一人でKY活動を実施します。
一人KYを実施する際は、以下7つを意識しましょう。
- 高い所からは落ちる
- 立っている物は倒れる
- 吊っている物は落下する
- 丸い物は転がる
- 動いている物には挟まれる
- 回転している物には巻き込まれる
- 通路にある物にはつまずく
この7つを意識して一人KYを実施することで、危険に気づきやすくなり、事故を防げるでしょう。
指差呼称
指差呼称は、作業場所を指で指して、声に出して確認することです。
たとえば、重機を使用して作業する場合は、周囲の確認として「前方確認ヨシ!」や「後方確認ヨシ!」と声に出して確認します。
指を指して対象を見る、声に出して確認するという作業を実施することで、意識レベルが上がり確認の精度が向上します。
一人KYと組み合わせて行うと、より安全性が高まるでしょう。
安全ミーティングの内容を記録する
安全ミーティングで確認した内容は、記録として残しましょう。
記録することで、後々のトラブルや事故が発生した際に、その日の状況を正確に把握できます。
また、日付、作業内容、確認したリスク、講じた対策など、具体的な情報を記録しておくと、自身の安全管理も可能です。
次回以降の作業にも役立つ情報として活用できるため、内容の記録は毎回行うようにしましょう。
一人親方が安全ミーティングを実施するために必要な知識
一人親方が安全ミーティングを継続的に実施するためには、安全衛生の知識が必要です。
一人親方は会社に属している作業員と比べて安全衛生教育の機会が少なく、知識が乏しい傾向にあります。
安全に関する知識が乏しい状態だと災害につながるリスクが高まるため、安全衛生の知識を身に付けましょう。
安全衛生の知識は一度身に付ければいいというわけではありません。
安全対策やリスク管理の知識、法改正、技術の進化によって、情報がアップデートされるため、継続的に学ぶ必要があります。
厚生労働省では、一人親方のための安全衛生研修会の実施や一人親方等のための安全衛生教育テキストを配布しています。
定期的に研修に参加し、自分の知識をアップデートしていきましょう。
安全に作業するために労災保険に加入しよう
一人親方の安全を確保するために、労災保険に加入するのも選択肢の1つです。
本来、労災保険は雇用されている方しか加入できません。
しかし、労災保険特別加入制度によって、雇用されている労働者と同じように保護される必要があると判断された職種は労災保険に加入可能となりました。
そのため、一人親方も労災保険に加入可能です。
労災保険に加入すると、作業中や通勤途中のケガなどで仕事ができなくなっても補償が受けられます。
万が一に備えて加入しておくと安心です。
「一人親方団体労災センター」では、労災保険の加入に対して分かりやすく丁寧に説明してくれるため、安心して加入できます。
建設業で一人親方をしており労災保険への加入を検討している方は、ぜひお問い合わせください。
まとめ
安全ミーティングは、同じ作業や関連する作業を実施する作業者が集まって行うミーティングのことで、災害が起きにくく安全な現場にすることを目的としています。
現場で安全に作業するためにも、一人親方も安全ミーティングには必ず参加しましょう。
全体での安全ミーティングだけでなく、一人親方だけで実施することも安全のために重要です。
本記事で解説した方法を参考に、現場で実施してみてください。
また、安全ミーティングの効果を得るためには、安全に関する知識も必要です。
定期的に安全に関する知識を学び、継続的に安全に作業できるようにしましょう。