労災保険給付においては、療養(補償)給付及び介護(補償)給付以外の保険給付は、原則として被災された方の収入によって保険給付額が異なります。これは労災保険の保険給付の仕組みにより、労働者が被災したことで本来得られるはずの利益を得られなかったことによる損失(逸失利益)の補てんを目的とするためであり、具体的な保険給付額を算出する方法として給付基礎日額というものを用います。
給付基礎日額
給付基礎日額とは、原則として労働基準法の平均賃金に相当する額をいいます。業務上、又は通勤による負傷や死亡の原因となった事故が発生した日、又は医師の診断によって疾病の発生が確定した日(賃金締切日が定められているときは、その日の直前の賃金締切日)の直前3か月間にその労働者に対して支払われた賃金の総額を、その期間の暦日数で割った1暦日あたりの賃金額です。
算定基礎日額
算定基礎日額とは、原則として業務上、又は通勤による負傷や死亡の原因である事故が発生した日、又は診断によって病気にかかったことが確定した日以前1年間にその労働者が事業主から受けた特別給与の総額を算定基礎年額として365で割って得た額です。
特別加入者の給付基礎日額
特別加入者の給付基礎日額は一般の労働者と異なります。一般の労働者は労働の対価として賃金の支払いを受けているため1.や2.のように計算によって給付基礎日額の計算ができますが、特別加入者の場合賃金を受けていないため一般の労働者とは異なる給付基礎日額を採用しています。特別加入の給付基礎日額は、3,500円、4,000円から1,000円毎に10,000円まで、及び12,000円から2,000円毎に24,000円までのほか、最高25,000円と合計16段階が定められており、この中から特別加入を行う方の所得水準に見合った適切な額を申請していただき、都道府県労働局長が承認した額がその方の給付基礎日額となります。