「一人親方が受けられる助成金・補助金を知りたい!」
事業拡大のために資金が必要な際や不測の事態が生じたときに、助成金や補助金を利用できれば、事業の計画や運営の面の足しにできます。
この記事では、まず一人親方の助成金や補助金の概要をご紹介し、注意点や加入方法を解説します。
Contents
一人親方も助成金・補助金は受けられる?
助成金や補助金には、それぞれ個別に条件が設定されています。したがって、一人親方が受け取れる助成金や補助金と、そうではないものとの2種類があります。助成金や補助金が受けられるか否かをチェックする際には、以下の点に注意しましょう。
- 対象者
- 対象期間
- 金額
- 申請方法
- 申請枠
- そのほかの条件の詳細
一人親方は、個人事業主の一種です。したがって、個人事業主を対象とした助成金・補助金であれば、申請可能である可能性が高いです。
一人親方が受けられる助成金・補助金
助成金・補助金は、年度や地域によって異なります。しかしながら、実際にどのような助成金・補助金が出されているのかを知れば、申請する際のイメージがしやすくなるでしょう。
この章では、2020年度に展開された助成金や補助金の中で、一人親方が申請可能であったものをご紹介します。
持続化給付金
「持続化給付金」は、新型コロナウイルスの影響を受けた事業者が、給付金を受けられる補助金制度です。
対象:新型コロナウイルスの影響により、前年同月比で50%以上の売上減があった事業主を対象としています。中小企業の事業主・個人事業主・フリーランスが対象なので、一人親方も条件に合致すれば申請できます。
※対象とする月は、任意です。
ただし、新型コロナウイルスの影響による売上減だったか否かは、中小企業庁の担当窓口での判断になります。申請が認められると、最大100万円の補助金を受けられます。期間限定で支給されていますが、将来的に同様の補助金が支給されるか否かは不透明です。
生衛業受動喫煙防止対策事業助成金
生活衛生関係営業(生衛業)の一人親方を対象としているのが、「生衛業受動喫煙防止対策事業助成金」です。「生衛業受動喫煙防止対策事業助成金」とは、受動喫煙防止ために喫煙所や換気システムなどを事務所に設置する際の、工事・設置費用の一部(最大1/2・上限100万円)が助成される制度です。
「生衛業受動喫煙防止対策事業助成金」は、「受動喫煙防止対策助成金」を受けられない一人親方や個人事業主のために、設けられています。
一人親方が助成金や補助金を申請する際に注意すべきこと
一人親方が助成金や補助金を申請する際には、注意すべきポイントがいくつかあります。これらを見落としてしまうと、助成金や補助金を申請したにもかかわらず受給できないことがあるため、注意が必要です。
期間・条件・利用枠
助成金や補助金は通常、一定の給付期間と申請期間が設けられています。申請期間を1日でも経過すると給付を受けられないので、期間を確認し、期間内に申請を完了するようにしましょう。
利用枠が設けられている場合、申請人数やトータルの申請額が既定の上限に達した時点で、助成金や補助金の公募が締め切られます。
上記のケースもあるので、助成金や補助金が展開されているときには、一日も早く申請をするのがオススメです。
対象外となる場合
助成金や補助金はあまり縁がないものだとして、普段意識されていない方も多いかもしれません。しかし、個人事業主や一人親方を対象にした助成金や補助金は、決して少なくありません。
特に建設業は、人材不足が社会問題として取り上げられているため、助成金や補助金給付の対象になりやすい面もあります。
助成金や補助金は、社会の課題やトラブルなどに対応して出されることが多いので、以下のケースで特に注意してチェックするとよいでしょう。
- バリアフリー・IT化・エコなど、社会の課題に関連する事業や取り組み
- 自然災害など大きなトラブルが発生し、事業にも大きな影響が生じたとき
- 過疎など、地域の課題や問題に関連している場合
上記のように課題と密接に関連する場合は、助成金や補助金給付を受けやすいでしょう。
地方独自の施策
時には、地方の自治体が独自に助成金や補助金を設けていることもあります。
国だけでなく、ご自身の事業所所在地の施策もチェックしましょう。また、国と地方との両方で施策が展開されている場合、重複して給付を受けられるか否かのチェックも重要です。
減免・猶予の施策
「助成金・補助金」といった名目ではなくても、減免や猶予の施策が展開されていることもあります。
例えば大規模な災害が生じた際に、納税額の一部が減免されたり、支払い時期が猶予されたりするなどの施策です。助成金や補助金と併せて活用することで、トラブル時の被害を最小限に抑えられるので、必ずチェックしておきましょう。
一人親方は助成金や補助金をどのように探す?
助成金や補助金は、さまざまな状況や対象者に対して、数多く展開されています。そのため、ご自身が適用される助成金や補助金を探すのは、大変だと思われるかもしれません。
この章では、一人親方が助成金や補助金を探すための方法を解説します。
希望・悩み・疑問から考える
オーソドックスな形としては、「希望・悩み・疑問から考える」方法です。
- 技術アップのため有料の研修に参加したいけれど、費用負担が重い
- 災害・盗難に遭ってしまった
- 就労環境を改善するために、事務所に新たな設備を導入したい
これらの事業に関する希望や悩みがあるときに、マッチする助成金や補助金が展開されていれば、自己負担を大きく軽減できます。
上位団体や取引先に確認
上位団体・請負元・同じ現場で仕事をする他の一人親方が、助成金や補助金について詳しく知っているケースも少なくありません。助成金や補助金に限ったことではありませんが、積極的に情報共有することで、有益な情報を漏れなくカバーできます。ご自身が情報を得たときには提供するようにして、自然と情報が共有される関係性を築いておくと理想的です。
自治体の窓口に問い合わせ
気になる助成金や補助金があるものの、ご自身が対象に含まれているのか、また申請方法がわからないときなどには、自治体の窓口に問い合わせをするとスムーズです。
条件を満たしていれば、そのまま申請の手続きに移行できるので、迷っている時にはまず電話などで自治体に問い合わせをしましょう。
法律事務所や行政書士事務所に依頼
申請方法が複雑でわからない時などは、税理士や行政書士に聞いてみるのもよいかもしれません。法律関連の専門家なので、誤りや不備を防ぐために効果的です。
特に、日ごろから税務や会計の手続きを法律事務所に依頼している方は、気軽に質問しやすいのではないでしょうか。
クライアントが受けられる助成金や補助金を把握しておくことも大切
一人親方として住宅や建物の建設・建築を担当する際には、クライアントが利用できる助成金や補助金を理解することも重要です。最近では、エコやバリアフリーに対応した住宅の新築や改築をおこなった施工主に対して、給付される助成金や補助金も少なくありません。
直接クライアントと接する一人親方は、これらの助成金や補助金の情報を把握しておくと、提案の幅が広がります。助成金や補助金を利用する際に、ご自身が対象となるサービスをチェックするだけでなく、視野を広げて情報を入手しようとする意識が重要です。
まとめ
助成金や補助金は、費用負担の軽減に役立ちます。
具体的な給付内容は、タイミングやお住まいの自治体によって異なるため、都道府県や市町村の情報を日ごろからチェックする意識を持ちましょう。
ご自身の情報収集のみでは限界が生じることもあるため、常に上位団体や請負元などと情報交換できるような関係性を築いておくことが大切です。