冬の現場作業で必須の防寒対策。
「何を着たらよいかわからない」
「何か便利なグッズはないかな?」
などとお悩みの方も少なくないでしょう。
本記事では、寒い冬の現場作業で活躍するおすすめ便利グッズをご紹介します。また、ケガや病気のリスク対策についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
Contents
冬の現場作業で必須の防寒対策
冬の現場作業で防寒対策は必須です。寒さの厳しい日や夜勤の場合は特に、いつも以上に防寒対策をする必要があります。
まずはじめに、防寒対策の重要性と単に厚着をすればよいわけでない理由を解説します。
防寒対策が重要な理由
真夏の暑さ対策と同様に、冬場の防寒対策も作業を効率よく行うため欠かせないポイントです。
手足がかじかむような寒い日は、体の動きや頭の回転が鈍くなって思わぬ作業ミスが起き、大きな事故につながる危険があります。
また寒い中無理をすると体調を崩し、免疫力が下がって風邪やインフルエンザにかかるリスクもあります。
ヒーターやストーブを用意してくれる現場もありますが、作業の手を止めてたびたび暖を取りに行くわけにもいきません。特に請負で働く一人親方は、できるだけ早く仕事を上げて生産性を上げたいのが本音でしょう。
冬の寒さの中でもケガや病気のリスクを避け快適に作業するには、各自でその日の天候に合わせた防寒対策をする必要があります。
ただアウターを着込めばよいわけではない
寒いからといってアウターを着込むのは、現場作業をする方にとって現実的な対策ではありません。
厚手のアウターを着用すると着ぶくれし、作業に支障をきたすと考えられます。
例えば、移動中に足場の金具にアウターが引っ掛かり、破れてしまうこともあるでしょう。さらには、アウターが引っ掛かった反動で足場から転落する危険さえあります。また、狭いスペースで作業をする場合にアウターは汚れやすく、擦り切れたり破れたりしやすくなります。
ダウンジャケットのような着ぶくれしやすい服装は、例え防寒着として優れていても、現場作業には向かないでしょう。
また作業中は体を動かすため、寒い日でも汗をかくことがあります。厚着をすると、かいた汗によりかえって体が冷える可能性があります。
アウターは作業前後の防寒対策としては有効ですが、作業中は着用しないことを前提に考える必要があります。
防寒対策でおすすめの便利グッズをご紹介
真冬の現場はじっとしていると寒いですが、作業をはじめると体が温まり暑く感じることさえあります。それで、快適かつ動きやすいことを重視したバランスのよい防寒対策が大切です。
ここでは、冬の現場作業で活躍する、おすすめの防寒対策グッズをご紹介します。
機能性インナーとインナーダウン
冬の現場作業で有効な防寒対策の決め手は、体の中から温めるのに役立つインナーを選ぶことです。
コンプレッションインナーのような機能性インナーを好む方は増えています。コンプレッションインナーとは、収縮性のある生地により体に圧をかけるインナーのことで、保温性や疲労軽減などの効果が期待できます。速乾性に優れた生地のため、汗をかいてもサラサラ感があり快適です。
コンプレッションインナーはもともと医療分野で使われていましたが、近年ではスポーツウェアや作業服としても人気を集めています。機能性インナーは、ファストファッション・スポーツウェア・作業服など、さまざまなジャンルで扱われています。
特に寒さの厳しい日に冬用コンプレッションインナーを着用すれば、適度な着圧と発熱素材の保湿・保温効果によって血流が促進され代謝があがりますので、最適な防寒対策となるでしょう。
また、作業着の下にインナーダウンを着て防寒対策をする方もいます。軽量でかさばらない薄手のインナーダウンは、ファストファッションブランドでも販売されています。
防寒対策としてインナーダウンを1枚、機能性インナーを複数枚持っていると便利です。
機能性タイツとレッグウォーマー
機能性インナーと併せて、機能性タイツで下半身の防寒対策をしましょう。
機能性タイツも、保温性の高いものや体の水分を吸収して発熱するタイプのものなど、最新テクノロジーを活用した生地を用いたものが数多くあります。防風機能のある機能性タイツは、寒くて風の強い環境で長時間働く方に特におすすめです。
機能性タイツは、軽量で収縮性があり動きやすいだけでなく、作業着の下に履くため目立たずに防寒対策ができます。スポーツブランドからも発売されていますので、履き心地や天候を考慮し、ご自身にとって最適なものを選びましょう。
タイツでは防ぎきれないほどの寒さの日には、レッグウォーマーの活用もおすすめです。レッグウォーマーも作業着の下に装着するため、目立たずに防寒対策ができます。また脱着がタイツより簡単にでき、体温調節が楽なのもメリットです。
冬用の安全靴と靴下
現場作業に欠かせない安全靴にも、冬用の防寒安全靴があります。雨や雪の日に安全靴の中が濡れてしまうと、不快なだけでなく冷たさで足がかじかんでしまいます。防寒・防水性のある安全靴なら、足元を快適に保ち作業に集中できるでしょう。
防寒安全靴には、スニーカータイプ・ハイカットブーツタイプ・長靴タイプなど、用途に合わせてさまざまな種類が用意されています。現場の環境に合わせて、動きやすいものを選ぶとよいでしょう。
また、安全靴と同時に厚手でクッション性に優れた靴下を選びましょう。特に安全靴の下に履く靴下は摩擦で擦り切れやすいため、丈夫で保温性の高いものを選ぶと安心です。
さらに、靴下のつま先に貼るタイプのカイロを使って、足元をしっかり温める方法もあります。
作業用手袋
現場作業では手を使う仕事が多くありますが、防寒機能付きの作業用手袋を着用すると快適です。スキー用手袋のようにかさばるものではなく、防水加工で収縮性に優れ、作業しやすい手袋も数多く販売されています。
水に塗れても中までは浸透しない素材を使った作業用手袋もあり、比較的薄くても保温性に優れています。
また、防寒機能に加えて耐摩擦性・耐油・耐熱に優れた作業用手袋もありますので、用途に合わせて使い分けるとよいでしょう。
もちろん、コスト面を重視して軍手を重ねて使用する方法もあります。
指先の感覚を活かして細かい作業をしたり、仕事中にスマホを使ったりする場合は、指先だけが出るタイプの手袋や、手袋をしたままスマホのタッチパネル操作が可能な手袋もあります。
ネックウォーマーとフェイスマスク
寒い冬の現場では、首元から入る冷たい空気への対策も欠かせません。安全面や機能面を考慮に入れておすすめするのは、ネックウォーマーです。マフラーのように作業中にほどける心配はなく、首から口元までスッポリ覆うことができるからです。
厳しい寒さの日に現場作業を行う際は、フェイスマスクを着用して顔全体の防寒対策もできます。
冬山登山やスキー・スノボなどでも利用される「バラクラバ」は、現場作業にも最適な便利グッズとして人気です。ストレッチ性・保温性に優れたものや、1枚で6通りの使い方ができるものがあり、現場環境や気候に合ったものを選べるのも魅力です。
予算に余裕があれば電熱服という選択肢も
充電式のモバイルバッテリーで発熱する電熱服を導入する方も増えています。
もともとはバイク乗りや釣り人などが活用するニッチなアイテムでしたが、最近では作業着メーカーも電熱ベスト(ヒーターベスト)を販売しています。インナーやアウターとして使用できますので、厚手の服を着込まずに防寒対策できます。
電熱服はバッテリーも入れると5,000~10,000円前後またはそれ以上と値段が張りますが、予算に余裕があれば即効性のある防寒対策としておすすめです。
防寒対策とともに労災保険でリスク対策も忘れずに!
防寒対策をしっかり行うことで、思わぬ事故によるケガや病気のリスクの軽減が期待できます。しかし、現場作業にはさまざまな危険が潜んでおり、万一のケガや病気への備えは大切です。
雇用されている労働者は、国の保険制度である労災保険から、傷病の治療や休業中の補償などが受けられます。ただし、請負で働く一人親方など個人事業主の場合は、労災保険の対象外となるため注意が必要です。
一人親方の場合は、任意の特別加入制度を活用してリスク対策をしておきましょう。ここでは、労災保険の特別加入制度や加入のメリットを解説します。
請負で働く一人親方は特別加入制度を活用できる
請負で働く一人親方など個人事業主の場合は、任意の特別加入制度を利用することで労災保険に加入できます。
労災保険は、事業主に雇用され賃金を受け取る労働者を対象にした国の保険制度です。請負の一人親方は労働者に該当せず、原則として労災保険は使えません。
しかし、一人親方も一般の労働者と同じように、ケガや病気のリスクを負って業務に携わっています。そこで、一人親方などの個人事業主でも一定の要件を満たせば任意加入できるよう、労災保険の特別加入制度が設けられました。
一人親方は、都道府県の労働局に承認された特別加入団体を通して、労災保険に特別加入できます。特別加入団体を事業主とみなすこの制度により、一人親方も一般労働者と同様に労災保険の手厚い補償が受けられます。
「一人親方団体労災センター 」は、労災保険料と月額500円の組合費で加入できる、労働局承認の特別加入団体です。防寒対策とともにリスク対策もきちんと行いたい一人親方の皆さん、お気軽にご相談ください。
労災保険に特別加入するメリットは?
労災保険の特別加入は任意であるとはいえ、仕事中にケガや病気をした場合の以下のようなメリットを考えると、加入しておく必要性がわかります。
- 治療の必要がなくなるまで治療費は全額支給される
- 休業の4日目から、給付基礎日額の8割を休業補償として受けられる
- 死亡した場合、遺族に対して一時金または年金が支給される
近年では、一人親方が無保険状態で作業に携わることがないよう、入場前に労災保険番号の提示を求める現場も増えています。
まとめ
冬の厳しい寒さの中でも快適に作業できる、便利な防寒対策グッズについてまとめました。
手足がかじかむような寒さの中では、頭の回転が遅くなったり体が思うように動かなかったりして、思わぬ事故につながるケースも考えられます。ベテラン作業員の知恵や最新の防寒対策グッズを活用して、厳しい冬を乗り越えましょう。
また請負の一人親方は、労災保険の特別加入制度を活用し、ケガや病気のリスク対策も万全にしておくと安心です。