エクステリア業で独立して年収アップを目指したいけれど…
- 「何からはじめたらよいかわからない」
- 「成功するか心配」
などとお悩みではありませんか?
エクステリア業は比較的独立しやすいといわれていますが、成功するには事前のしっかりとした準備が重要です。そこで本記事では、エクステリア業で独立する流れと、年収アップを目指すポイントをまとめました。独立後に後悔しない大切な情報が含まれていますので、ぜひ最後までお読みください。
Contents
エクステリア業で独立する流れ
快適で豊かな住環境や生活環境の向上に寄与するとして注目されているエクステリア業。造園・外構・エクステリア工事に携わる方の中には、「身につけた経験や技術を活かしてエクステリア職人として独立したい」と考える方も多いでしょう。
しかし、エクステリア業で独立するために何を準備すればよいかわからず、次のステップに進めないケースも。エクステリア業で独立する流れは、大きく以下の4つのステップに分けられます。
- 経験を積んでスキルを身につける
- 資格を取得する
- 開業資金を準備する
- 開業手続きを行う
ここでは、各ステップの詳細を解説します。
経験を積んでスキルを身につける
エクステリア業で独立開業する方は多いですが、未経験者がいきなり独立して成功できるほど簡単ではありません。未経験者の場合、工務店やエクステリア工事の会社へ就職し、経験を積んでスキルを身につけてから独立するのが一般的です。「独立を前提に就職するのは気が引ける」と考える方もいますが、社員の独立を応援する会社は少なくありません。独立開業を目標にしていることを伝えることで、さまざまな業務を経験させてもらえるケースもあるでしょう。
エクステリアは外壁や庭園などを含めた住まいの外側全体を指す言葉で、造園業・土木/建築業・左官業/タイル工事業など幅広い業種とかかわりがあります。エクステリア業の業務内容は幅広いため、独立後は主にどのような業務を請け負う予定なのか、よく考えたうえで経験やスキルを積むとよいでしょう。また、独立後の営業のことも考慮に入れつつ、業界関係者とよい関係を築くなど仕事における人脈づくりもしておきましょう。
資格を取得する
エクステリア業で独立するために必須の資格はありません。しかし、複数の資格を取得することで、案件獲得の際にスキルをアピールできます。独立前の準備として、以下の資格を取得しておくとよいでしょう。
- 土木施工管理技士
国家資格である「施工管理技士」の一つで、土木工事の現場で作業工程・安全・品質・コストの管理をする能力を証明します。1級と2級があり、1級土木施工管理技士は、すべての土木工事で作業工程ごとの責任者である「主任技術者」と現場全体を指揮する「監理技術者」の両方に選任されることが可能です。 - 造園施工管理技士
国家資格である「施工管理技士」の一つで、造園工事の総監督として施工管理・工程計画・資材調達・安全管理などを行うのに必要な資格です。個人邸宅の庭園だけでなく、道路緑化工事・公園工事・遊園地造成工事・住宅団地造園工事など、大規模な公共工事も行えるようになります。 - エクステリアプランナー
「公益社団法人日本エクステリア建設業協会」が主催する民間資格で、等級は1級と2級に分かれています。1級エクステリアプランナーは、一般住宅や共同住宅の外構全般の設計・工事・監理を行う専門知識と技術を持つことを証明し、5年ごとの更新登録が必要です。 - 建築コンクリートブロック工事士
「公益社団法人日本エクステリア建設業協会」が主催する民間資格で、「建築コンクリートブロック工事の施工に関し、材料・構造・施工・原価管理全般を含めた専門知識と技術を身につけ、安全な設計管理、施工管理」を行えることを証明します。 - 登録エクステリア基幹技能者
「公益社団法人日本エクステリア建設業協会」が主催する民間資格で、建築ブロック・エクステリア工事のスペシャリストとして高い技術を持つことを証明する資格です。施工管理・品質管理・原価管理・安全管理や、一般技能者への指揮指導など、マネージメント力にも優れていることを証明できるため、独立後に事業を拡大したい方にとって役立つ資格だといえるでしょう。 - ブロック塀診断士
「公益社団法人日本エクステリア建設業協会」が主催する民間資格で、ブロック塀の安全性を調査し、災害を防止できる能力を持つことを証明します。地震・台風などの自然災害はエクステリア工事にも大きな影響を与えるため、クライアントに安全性をアピールするために役立つ資格だといえます。
開業資金を準備する
エクステリア業で独立するためには、開業資金を準備する必要があります。資金の内訳は、以下のとおりです。
- 事務所・倉庫
事業規模に応じて、事務所や倉庫が必要です。カーポート・テラス屋根・ウッドデッキなど長尺の資材が多いため、十分なスペースを用意しましょう。また、資材の配送でトラックが行き来しやすい場所選びも大切なポイントです。 - 車両
現場への移動や資材の運搬に使用する車両も必要です。事業規模に応じて、必要な車両の種類や台数は異なります。 - CAD
デザイン設計も自分で行う場合は、図面作成を行うCADも必要です。「07CAD(オーセブンCAD)」や「RIKCAD」が有名で、いずれも1台あたり100万円以上します。CADスキルの習得が必要ですが、図面作成をCADオペレーターへ外注するケースもあります。 - PC・オフィス用品
人数分のPCと周辺機器を揃える必要があります。デスク・イス・電話機・コピー機・シュレッダー・空気清浄機・冷蔵庫・掃除機など、オフィス用品も必要になるでしょう。 - 運転資金
開業の初期費用に加えて、運転資金も用意しておきましょう。独立後は資材や消耗品の購入も自分で行うようになるため、手元に資金を用意しておく必要があります。事業拡大により従業員を雇用する場合は、給料の支払いも発生します。請負で仕事をする場合、入金までに時間がかかるケースもあるため、資金繰りに余裕を持つことは重要です。
開業手続きを行う
エクステリア業で独立するには、個人事業主として開業するか会社を設立する方法があります。
個人事業主として開業する場合は、開業届を税務署に提出するだけで、簡単に事業を開始できます。この際に、「所得税の青色申告承認申請書」の提出も一緒に行うようにしましょう。そうすることで、確定申告の際に税制面での優遇が受けられます。
会社を設立する際は、個人事業主と比較して複雑な手続きを踏む必要があります。一般的な流れは、以下のとおりです。
- 商号・事業目的・資本金・役員を決める
- 定款を作成して認証手続きを行う
- 会社印鑑を作成して登録する
- 法人口座を開設して資本金を振り込む
- 法務局で会社設立登記の申請をする
- 社会保険や年金の手続きを行う
エクステリア業で独立して年収アップを目指すには
エクステリア業の平均年収は、400万円前後だといわれています。独立することで700~800万円、会社設立により事業拡大をする場合は1,000万円を目指すのも夢ではありません。
しかし、年収は仕事量に比例するため、場合によっては会社員時代の平均年収を下回るリスクもあります。そこで、独立後に安定した仕事量を確保し、年収アップを目指すためにさまざまな工夫が必要です。
ここでは、エクステリア業で独立して年収アップを目指すポイントを解説します。
得意分野を明確にしてアピールする
エクステリア業で独立して成功するには、得意分野を明確にしてアピールするのが効果的です。
独立にあたり、はじめは個人事業主として開業し、事業が軌道に乗ってから事業を拡大するのが一般的です。独立直後は1人または少人数で事業を行うため、できる作業に限りがあります。そこで、エクステリア業の幅広い業務の中から、得意とする分野を明確にすることで専門性を高め、集客の際にアピールできるでしょう。
事業拡大を目指す場合は、得意とする分野以外にも、設計やデザインも含めさまざまな業務を経験し、幅広い作業に対応できるようにします。
エクステリア商品の仕入れ先を探す
エクステリア業で独立して成功するには、エクステリア商品の仕入れ先を探すことも大切なポイントです。
エクステリア商品を販売する際は、仕入れ値は利益に直結する重要な要素です。仕入れ先は一つではないため、仕入れ先の開拓を怠らずに行い、高品質の商品を安値で仕入れられるよう努力しましょう。
実績を積むことで、メーカーと直接取引できるようになるかもしれません。中間マージンをなくすことで、商品販売の利益を増やすだけでなく、割引などで顧客へ還元できるのも魅力です。
スキマ時間で複数の業務をこなす
エクステリア業で独立して成功するために、スキマ時間で複数の業務をこなすことも大切です。
独立することで、会社員時代のような拘束時間から解放され、作業が終わればその日の業務を終了できます。作業に慣れると手際がよくなり、その日の案件が午前中に終わることも。こうして生まれるスキマ時間を有効活用しましょう。
例えば、空いた午後の時間を営業や打ち合わせに使って、商品の提供などを積極的に行えるかもしれません。また、外壁塗装・植栽・門扉・ウッドデッキなど複合工事にも対応することで、効率よく稼げるようになります。
安全管理を怠らない
エクステリア業で独立して成功するために、安全管理を怠らないことも重要なポイントです。
エクステリアは自然災害の影響を直接受けるため、安全管理は重要事項です。地震や台風でブロック塀が倒れるなど、現場に被害が出るケースもあります。エクステリア業ではデザインセンスも大切ですが、安全基準を見直して被害を最小限に抑える工夫こそが安定した経営につながります。
安全管理の一つとして、仕事中のケガや病気のリスクに備えておくことも必要です。エクステリア業で独立することで、労災保険が適用されなくなるため、特別加入制度を検討するとよいでしょう。個人事業主として独立する場合は、一人親方労災保険に特別加入することで、仕事中のケガや病気の際に必要な保険給付が受けられるようになります。
費用や手続きに関するご相談は、「一人親方団体労災センター」までお気軽にお問合せください
まとめ
エクステリア業で独立する流れと、成功するポイントをまとめました。
個人事業主で独立する場合は、開業手続きを税務署に提出するだけで簡単に事業を開始できます。ただし、独立後に後悔しないために、スキルの習得・資格取得・資金調達など、事前準備をしっかりと行いましょう。
独立後に成功して年収アップを目指せるよう、特定の分野で専門性を高めたりスキマ時間を有効活用したりするなど、さまざまな工夫ができます。また安全管理の一環として、仕事中のケガや病気のリスクに備えて、一人親方労災保険に特別加入しておくと安心です。