一人親方として安心して仕事をするために、労災保険への加入を検討される方も多いでしょう。労働者に該当しない一人親方は、特別加入制度を利用することで労災保険に加入できます。
未加入のまま働いていて万が一、労災事故が発生した場合、治療費を自己負担しなければならないだけでなく、休業補償やそのほかのさまざまな補償が一切受けられません。
そもそも未加入のままだと、現場に入れない可能性もあるため、必要に応じて加入を検討したほうがよいでしょう。
本記事では、岐阜県で加入できる一人親方労災保険団体5選を、労災事例とともにご紹介します。労災保険への特別加入を希望されている方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
岐阜県の建設業の特色
岐阜県は、日本の中部地方に位置する県であり、東海地方に属します。県庁所在地は岐阜市です。面積は約10,621平方キロメートルで、人口は約20万人(2021年時点)です。岐阜県は美しい自然景観や歴史的な名所、温泉地などがあり、観光地としても知られています。また、岐阜県は製造業や農業も盛んな地域で、地域経済に大きな影響を与えています。
- 観光地と施設の整備
岐阜県には美しい自然景観や温泉地、古い町並みなどがあり、観光地としての魅力が豊かです。建設業者は観光施設や宿泊施設の整備に力を入れており、地域の観光振興を支えています。 - 歴史的な名所の保護と活用
岐阜県には歴史的な寺社や城、町並みが多く存在します。建設業者はこれらの歴史的な名所の保護と活用に取り組み、観光客や地域住民に楽しい空間を提供しています。 - 製造業の支援施設
岐阜県は製造業が盛んであり、自動車産業や航空機産業などが存在します。建設業者は製造業を支える施設の整備や改修に取り組んでおり、産業発展をサポートしています。 - 環境に配慮した建築
岐阜県でも環境保護が重要視されており、省エネルギーの建築や再生可能エネルギーの活用、環境に優しい建築材料の利用などが進められています。 - 地域への貢献と災害対策
岐阜県の建設業者は地域の発展と安全を支えるため、住宅や商業施設、公共施設の整備に取り組んでいます。また、自然災害への備えや防災対策も重要な特色です。
【岐阜】一人親方労災保険の特別加入制度とは?
労働者を雇用している事業者は労災保険に必ず加入することが法律で義務付けられており、保険料は100%事業者が負担します。そのため、労働者は業務中、もしくは通勤中のケガや病気に対してさまざまな補償を受けられます。
労働者に該当しない一人親方は労災保険の対象にはなりません。しかし、業務の実態や災害発生状況は限りなく労働者に近いため、特別加入制度を利用することで一人親方も労災保険に加入できるようになっています。
一人親方労災保険の特別加入は義務ではなく任意であり、必要性に応じて加入を判断する必要があるのです。
特別加入を希望される場合は、労働局の承認を受けた特別加入団体を通じて加入します。
【岐阜】一人親方労災保険に未加入だとどうなるのか?
一人親方として活動するにあたって、労災保険に未加入の場合はどのようなリスクがあるのかを確認しておきましょう。
業務中や通勤中のケガや病気に対する治療費が自己負担になる
労災保険に加入していると、業務中や通勤中のケガや病気により治療が必要になった場合、治療費が補償されます。未加入だと、医療機関にかかった場合の診察代や薬代などがすべて自己負担です。
特に、建設現場では転落や巻き込まれなどの重篤な災害が発生することが多く、大きなケガを負ってしまうことも考えられるでしょう。大がかりな治療が必要になった時、費用をすべて自分で負担しなければならなくなると、その負担は相当なものです。
公的健康保険は労災事故が原因のケガや病気には適用されないため、注意してください。
仕事を休んでいる間の収入がなくなる
労災保険の補償内容の一つに、休業補償があります。休業補償とは、業務中もしくは通勤中のケガや病気が原因で仕事を休まなければならなくなった場合、その間の収入減少を補填してくれるものです。
休業1日につき、休業補償として給付基礎日額の60%、休業特別支給金として給付基礎日額の20%の合計80%相当が給付されます。
一人親方労災保険に未加入だとこの補償は受けられないため、仕事を休んでいる間の収入がなくなるうえに、治療費も自分で支払わなければなりません。
その他の生活に関わる補償を受けられない
労災保険の補償内容には、療養補償と休業補償のほかにも次のものが含まれます。
- 傷病補償:1年半経過してもケガや病気が治っていない場合に給付される
- 障害補償:障害が残った場合に給付される
- 介護補償:介護が必要な障害がある場合に給付される
- 遺族補償:一人親方が死亡した場合に遺族に対して給付される
- 葬祭給付:一人親方が死亡した場合に葬祭費用として給付される
労災保険に未加入の場合は、こうした手厚い補償を一切受けられません。
現場に入れないことがある
一人親方が労災事故に遭った場合、元請会社が加入している労災保険は適用されません。
ガイドラインによって安全配慮義務が課せられている元請会社は、現場で一人親方が労災事故に遭ってしまったとき、その責任を問われることになる可能性があります。
そうなることを回避するために、労災保険に特別加入していることを条件にして、仕事を依頼する元請会社も少なくありません。つまり、労災保険に未加入だと請け負える仕事の幅が狭くなってしまうのです。
安定して仕事を受注できないことは、一人親方にとってデメリットが大きいのではないでしょうか。
【岐阜】一人親方労災事例
一人親方労災保険に特別加入するにあたって、どのような労災事例が報告されているのかを確認しておくとよいでしょう。今回は、岐阜県での一人親方労災事例をご紹介します。
作業中に蜂に刺されて負傷
美容室の敷地内で隣家との目隠しフェンスの修繕工事において、生け垣の中から出てきた蜂に両手を刺されて負傷した事例です。
痛みがあったものの、そのまま作業を続け、翌日両手が腫れて痛みも続いていたため、受診しました。
電動ドリルに軍手が巻き込まれて負傷
改修工事中に設置予定の棚を作成中、電動ドリルで穴を開ける作業をしていたところ、軍手がドリルの回転部に巻き込まれて負傷した事例です。
穴が思うように空かず、両手が大きく振動してしまったことが原因と考えられます。その日は作業を中断し、病院を受診したということです。
電動丸ノコで指を切り負傷
個人住宅改修工事において、電動丸ノコを使ってベニヤ板の加工作業をしていたところ、軍手が丸ノコの刃に絡まって指を切ってしまった事例です。
丸ノコを置こうとした際に起こった事故で、すぐに仕事を切り上げて病院を受診しました。
岐阜県で加入できる一人親方労災保険団体5選
一人親方が労災保険に加入する際は、特別加入団体を経由する必要があります。今回は、岐阜県で加入できる一人親方労災保険団体5選をご紹介します。
一人親方団体労災センター
一人親方団体労災センターは、中部・東北・関東・関西・九州・沖縄と全国規模で展開しております。
入会時に発生する入会金1,000円をのぞき、労災保険料と月額500円の組合費のみで加入可能です。
入金確認後、最短で翌日から加入でき、加入証明書は即日発行されます。急な現場の要請が入って急いで労災保険に加入しなければならなくなったとき、労災番号が記載された加入証明書があれば対応できるケースも多いため、即日発行が可能だと安心です。
また、1カ月・2カ月の短期加入にも対応しており「次の現場に入る間のみ、労災保険に加入したい」方にとっても利用しやすくなっています。
中部労災 一人親方部会グループ
中部労災 一人親方部会グループは、岐阜県・愛知県・滋賀県・三重県・福井県・長野県・石川県・富山県・新潟県を加入対象エリアとしている団体です。
WebやFAXで簡単に申し込みができるため、遠方に住んでいる方や仕事が忙しい方も安心です。
支払いは毎月払いと年払いを選択でき、年払いだとインターネット割引が適用されます。毎月払いだといつでも解約が可能なため、自分が利用しやすいほうを選ぶとよいでしょう。
さらに、毎月払いの場合は飲食店やレジャー施設が割引になるお得な優待サービスが利用できます。
一人親方労災保険組合
一人親方労災保険組合は、北海道から沖縄まで、全国にネットワークが広がる組合です。
月額組合費はわずか500円で、事務手数料などの追加費用は一切かかりません。年度途中の脱退も可能となっており、未経過分の保険料は返金されます。
また、支払いは銀行振込だけでなくコンビニ払いや口座引き落としにも対応しているため、都合のよい方法を選ぶことが可能です。お得な優待サービス「職人クラブオフ」も利用できるため、あわせてチェックしておくとよいでしょう。
一人親方団体労災センター共済会 中部支部
一人親方団体労災センター共済会 中部支部は、岐阜県・富山県・石川県・福井県・愛知県・三重県・滋賀県にお住まいの一人親方様を対象とした組合です。
インターネットから簡単に申し込みが可能で、月会費450円、年会費3,600円で加入できます。毎月払いの場合はクレジットカードでの支払いにも対応しており、更新の手間がかからず大変便利です。
また、加入証明書は即日発行されるため、急な現場の要請が入ってお急ぎの場合も安心です。
ホームページの費用シミュレーションを活用し、いくらかかるか確認しておくとよいでしょう。
一人親方あんしん協会
一人親方あんしん協会は、岐阜県・愛知県・三重県・長野県・滋賀県・福井県・石川県・富山県にお住まいの一人親方を対象としています。
最短1日で手続きが完了するため、急いで労災保険へ加入したい方も安心です。
新規加入時のみ入会金3,000円が発生し、年会費は4~9月入会の場合だと12,000円、10~3月入会の場合だと6,000円かかります。労災事故発生時の手続き費用などは一切かからないため、ご安心ください。
社会保険労務士が窓口になっている、安心安全な協会です。
まとめ
一人親方労災保険の特別加入制度についてご紹介するとともに、労災保険に未加入の場合のリスクや岐阜県の一人親方労災事例などを詳しくまとめました。
労災保険に未加入のまま一人親方として活動されていると、万が一のときに補償が受けられないだけでなく、入れない現場が出てくるなど、さまざまなデメリットがあります。
特別加入制度を利用すれば一人親方様も労災保険に加入できるため、加入する重要性についてもう一度考えてみてはいかがでしょうか。
本記事では、岐阜県で加入できる一人親方労災保険団体5選もご紹介しています。労災保険への特別加入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。