安定して仕事を得られるかは、一人親方にとって大きな課題です。
会社に属する作業者は会社が受注した仕事をこなすだけですが、一人親方はそうではありません。
営業が苦手、経験のない一人親方だと、知り合いや近隣の方からの紹介に頼ってしまっている場合もあるかもしれません。
そのような場合、受注した仕事に真剣に向き合ってこなしていても、次の仕事が途切れてしまうリスクもあるでしょう。
そこで、一人親方として働いている方に向けて、仕事の探し方や案件獲得におすすめのマッチングサービスについて解説します。
Contents
一人親方が利用できるマッチングサービスとは?
マッチングサービスとは、仕事を探している一人親方と、仕事を依頼したい元請親方とをマッチングさせるサービスです。
マッチングサービスを活用する元請は、人員を募集したいけど自分の求める職人が見つからない場合に活用します。
掲載内容には労働内容や労働条件が記されているため、あらかじめ自分が対応できるかどうかを判断できます。
条件面や記載内容を確認し、依頼主とコミュニケーションを取り、合意すれば仕事が受注できるサービスです。
マッチングサービスの基本的な仕組み
マッチングサービスの基本的な仕組みは以下の通りです。
- 依頼主が労働内容や労働条件をまとめ、案件を掲載
- 一人親方は、それらを閲覧し、興味のある依頼内容に応募
- 応募のあった依頼主は、応募者のプロフィール確認やコミュニケーションを実施
- 合意に達したなら契約
一人親方が利用する場合、サービスに登録し、自分のスキルや経験、得意分野をプロフィールに登録します。
登録された情報をもとに、依頼主は仕事を任せられるか判断します。
日中仕事をして営業できない方でも、帰宅後に登録や募集への応募ができるのです。
一人親方がマッチングサービスを活用するメリット
マッチングサービスを活用する主なメリットは次の3つです。
- 優良案件が多く仕事の選択肢が広がる
- 専門スキルを活かせる安定した仕事から収入につなげられる
- サービスの機能から効率よく簡単に仕事を見つけられる
マッチングサービスを利用すれば、仕事探しの手間を大幅に減らせられ、自分に合った案件を見つけられます。
優良案件が多く仕事の選択肢が広がる
一人親方のマッチングサービスは、仕事の選択肢が広がるのがメリットの1つです。
マッチングサービスには全国におけるあらゆる案件情報が集まります。
いろいろな求人情報が多く掲載されているため、仕事の選択肢は広がります。
優良案件も多くあるため、こまめに掲載内容を確認するのがよいでしょう。
ただし、全ての案件が優良とは限らないため、内容を見極める力は必要です。
専門スキルを活かせる安定した仕事から収入につなげられる
自分の専門スキルを活かせる仕事を見つけられるのもマッチングサービスのメリットです。
自分の得意作業、専門スキルに絞って仕事を探せるため、効率よく仕事の獲得ができます。
特に、あらかじめ特定のスキルを求める案件として掲載されている場合があり、応募の絞り込みがしやすいでしょう。
また仕事の完了後に依頼主から評価されると、その後も継続的に案件が得られる場合や、その評価を見た別の依頼主から仕事が入る可能性があります。
仕事を継続的に依頼してもらえるようになると、収入も安定的になり高くなってくる可能性もでてきます。
単発の案件だけでなく、定期的な仕事につながる可能性もあるでしょう。
サービスの機能から効率よく簡単に仕事を見つけられる
マッチングサービスには、効率よく仕事を見つけられる機能が豊富です。
サービスによって仕様は違うものの、仕事を探す時間と手間を減らす便利な機能はいずれのサービスにもそろっています。
検索機能を活用すれば、自分のスキルや希望条件にあった案件を絞り込めます。
直接会いに行かなくても、チャットやメッセージ機能で依頼主と連絡を取り、仕事の詳細を確認することが可能です。
過去の実績や評価が見える仕組みを活用すれば、信頼できる依頼主を見極めやすくなります。
また、スマホで簡単に探せるため、直接営業するわけではない点もメリットといえるでしょう。
案件を上手く組み合わせられれば、朝から日没までに複数の現場対応も可能です。
一人親方がマッチングサービスを活用するデメリット
マッチングサービスには以下のデメリットもあります。
- 手数料の負担や買い叩きにあう可能性
- 競合が多く人気の求人は受注しにくい
- 低評価を付けられると受注が難しくなる
手数料の負担や買い叩きにあう可能性
マッチングサービスの利用には、手数料が発生する場合があります。
手数料が必要だと、依頼主と契約した金額よりも実際の収入が減ってしまう可能性があるでしょう。
また、買い叩きにあう可能性も金額面でのデメリットといえます。
たとえば、自分が仕事を探しているエリア内の場合、自分だけ仕事が切れてしまうタイミングであれば、影響はないかもしれません。
しかし、閑散期になれば、同じ案件に募集する人が集中するようになるため、仕事欲しさに料金を下げて応募するようになります。
結果、料金の買い叩きが発生し、望む金額での受注が難しくなってしまいます。
競合が多く競争が激しいため人気の高い求人は受注しにくい
競合が多く競争の激しい人気の高い求人は受注しにくいのもデメリットです。
マッチングサービスでは、登録している誰もが応募できるため、人気の高い求人には応募が集中します。
依頼主は、評価や実績のある職人を選びたいと考えます。
そのため、一人親方になりたてや登録してすぐで評価実績が少ない場合、人気案件では競争で不利になりやすい傾向です。
マッチングサービスの利用を始めたばかりでは、評価を積み上げる努力が必要でしょう。
低評価を付けられたら受注が難しくなる
サービスには「評価制度」が導入されており、評価が低いと仕事を受注しにくくなる場合があります。
依頼主は評価を参考に契約を決めるため、低評価が多く付けられた状態では不利です。
積極的に仕事をこなし、評価を高める努力が重要です。
一人親方がマッチングサービスを活用するコツ
マッチングサービスに登録したからといって、優良案件につながりやすいとは限りません。
複数の応募者がいると考えられるため、よい案件があっても受注に至らない可能性があります。
ここでは、マッチングサービスを活用するコツについて解説します。
任された仕事に真摯に向き合い、プロとして任務を全うする
マッチングサービスでよい仕事を受注するためには、自分の評価を高く維持する必要があります。
評価を高く維持するためには、任された仕事を相手の期待値以上で仕上げる心づもりが重要です。
仕事に真摯に向き合いプロとして任務を全うする努力が、高評価につながります。
また仕事の結果だけでなく、依頼主とのコミュニケーションも重要です。
言葉足らずでやり取りが上手く伝わらなかったり、コミュニケーションがずさんだったりすると、いくら仕事がよくできていたとしても低評価を受けてしまう恐れがあります。
忙しい時期こそ期待値より高い仕事で恩を売っておく
繁忙期で忙しいシーズンこそ、積極的に仕事を受注して結果を残すのも、コツといえます。
繁忙期は自分だけでなく、周囲の一人親方も忙しくなります。
元請も腕のよい職人集めに苦戦するため、実績を残すと高評価につながる可能性も高くなるでしょう。
困ったときに助けられた依頼主は、継続的に依頼してくれる可能性もあります。
そのため、繁忙期だからこそ、忙しい時期こそ実績を残すようにしましょう。
建設キャリアアップシステムに登録し活用する
建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録し活用するのも、マッチングサービスを活用するためのコツといえます。
このシステムは、技能者の実績や有資格を登録し、公正な評価や品質管理するクラウドシステムです。
登録しておけば、一人親方としての能力が証明され、マッチングサービスでも適切に評価が受けられます。
マッチングサービス上での実績が少なかったとしても、職人としての実績を証明できるのです。
競合の多い人気求人の獲得がしやすくなる可能性も向上するので、登録をおすすめします。
一人親方が案件探しに活用できるマッチングサービス
一人親方が案件探しに活用できるマッチングサービスを3件の特徴を紹介します。
マッチングサービスを活用したい一人親方は、ぜひ参考にしてください。
助太刀
助太刀は、株式会社助太刀によって運営されるマッチングサービスです。
工事会社出身のメンバーが、職人がもっとよい仕事に出会って欲しいと考え作られたサービスです。
専用アプリがあり、スマホから情報を手軽に確認ができます。
また、メッセージのやり取りや自分のプロフィール、アカウントの管理もアプリで対応できるため、ユーザーも利用しやすくなっています。
ビーバーズフリーランス
ビーバーズフリーランスは、株式会社ビーバーズが運営するマッチングサービスです。
このサービスでは、企業に対しての案件ではなく、フリーランス案件を主に扱っています。
マッチングの際にはエージェントが仲介するため、依頼側の気になる職人の技能、受注側の気になる労働条件が保証されるのも特徴的といえます。
クラフトバンク
クラフトバンクは、約2万8,000件の登録事業者がおり、マッチング率も86%のサービスです。
受注側は繁忙期・閑散期に左右されず、工事マッチングを通じて安定的に案件を受注できます。
リアルの場での交流会として「職人酒場」といったイベントも開催されており、元請と職人企業がコミュニケーションを取れるのが特徴的です。
一人親方は労災保険への加入で仕事が増える場合も
マッチングサービスで条件はよかったとしても、労災保険未加入の場合、作業者として入場できない現場があります。
チャンスを逃さないためにも、一人親方でも加入できる労災保険に加入しておくとよいでしょう。
「一人親方団体労災センター」では、一人親方向けの労災保険の特別加入に申し込みできます。
労災保険に加入しておけば、病気や業務上のけがで仕事ができなくなり、収入が途切れてしまいそうな場合でも安心です。
労災保険加入で仕事の幅は増えるでしょう。
万が一、作業中に事故に巻き込まれて働けなくなったときにも、補償が受けられるため安心です。
仕事の獲得にも、けがの補償に対する安心の獲得にも、労災保険への加入を検討しましょう。
まとめ
一人親方にとって、安定した仕事の確保は大きな課題です。
マッチングサービスを上手に活用すれば、得意分野を活かせる仕事に出会い、収入を安定させられます。
丁寧な仕事による評価の積み上げや、期待以上の成果を目指す姿勢が大切です。
また、建設キャリアアップシステムや労災保険の活用も信頼度を高める手段になります。
課題を理解し、マッチングサービスを活用していけば、自分らしい働き方を実現できるでしょう。